契約は当事者相互の信頼の上に成り立っている。
一旦、契約を結べば、当事者は互いの信頼に
応えるよう、義務を果たさなければならない。
※信義誠実の原則。民法1条2項
しかし、現実のビジネスでは売買契約をして
商品も引き渡したのに約束通り代金を
支払わない買主も多いのです。
こういう場合、売主は買主との売買契約を
解除できるほか、商品返還や損害賠償を
買主に請求できることもある。
ただし、このペナルティは契約違反のすべての
相手方に適用されるわけではありません。
契約解除は法律上、正当な理由があれば
無条件に一方的な解除を認めている場合も
あるし、また解約金(手付)の支払いによる
契約解除の取り決めがある場合には
買主は売主に渡した手付金を放棄することにより
一方的に契約を解除できる。
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契約は、当事者の合意があれば成立しますが
「売ります」「買います」など
その契約する意思を表す行為を「意思表示」という。
しかし、この意思表示には当事者の本心を伴わない
見せかけだけのものもあります。
当事者の本心でない意思表示による契約は
法律上原則無効ですが、取引の安全を
確保する為、民法では「心理留保(しんりりゅうほ)」
「虚偽表示」「錯誤」による場合は
善意の第三者に対して無効を主張できないと
定めている。
< 心裡留保 >
心裡留保とは、自分の本心でないことを
承知しながら意思表示することで
例えば、300万円もする車を
「1万円で譲ってあげる」といったような
場合です。
相手が冗談だとわかるようなケースでは
その意思表示は無効になります。
< 虚偽表示 >
虚偽表示とは、本心ではない見せかけの
意思表示を相手方と共謀して行うことで
例えば、債権者の差押えを免れる為
車を相手方に売ったとして
その所有名義も相手方に移してしまうことを
いいます。
これも原則無効ですが、善意の第三者(虚偽表示
とはしらずに相手方から車を譲り受けた人)には
無効を主張できません。
なお、いずれの場合も、本人(虚偽表示は相手方
も含む)が追認すれば有効な意思表示となります。
< 錯誤 >
例えば、「宅地だと思って土地を買ったら
登記が農地で建物を建てられない土地だった」
という認識の誤りをいいます。
民法では、無効となる意思表示の他
取消しができる場合として「詐欺・脅迫」
を定めています。
これは、意思表示自体は本心からだが
意思の決定段階で他者からの脅迫や詐欺
により本心が歪められた場合である。
これまでに出てきた「心裡留保」「虚偽表示」
「錯誤」「詐欺脅迫」は契約の有効性や
契約解除を考えるうえで重要です。
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