2017年12月4日、安倍政権の看板政策「人づくり革命」の実現に向けた政府の2兆円の政策パッケージ案の全容が、明らかになりました。
そこには、幼児教育の無償化のことや、勤続10年以上の介護福祉士に、月平均8万円相当の処遇改善を2019年10月から実施すると明記されていました。
ここでは、介護の分野の処遇改善について書いています。
今回の政府の案に対して、介護職員は不満を口にしています。
不満の一つは今回の政府の案であがっている勤続10年のハードルについて。
そして、もう一つは、今までの処遇改善の分配額の不公平についてです。
以下、それぞれの不満を書いてみました。
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目次
介護福祉士が10年勤務で8万円!これは処遇改善とはいえない!
2017年12月4日に報じられた政府案は、「勤続10年以上の介護福祉士に、月平均8万円相当の処遇改善を2019年10月から実施する」というもの。
これに対して、こんな不満がでています。
【匿名】
介護福祉士で勤続10年何て人殆どいません。
施設の縛りに近い!
これのどこが、処遇改善?
これでは、対策になってない!
勤続とは、同一場所勤務10年てこと!
ブラックだったらなんの意味もなさない!
在職10年にしないと!
今回の政府案には、離職者を減らす目的もあるのでしょうが、10年の壁は大きいと思います。
財源確保が困難な現在に、こういった制度を作って、今から介護福祉士が10年頑張って8万円を手することができるのか?
10年後に処遇改善を維持する体力が、政府にあるのでしょうか?
何の保証もなく、10年というのは、信じていいのか分からないところです。
勤続10年ではなく、今現在、頑張っている介護職全員に対して新たな処遇改善を行う必要があるのかもしれません。
【匿名】
介護職の勤続10年以上に処遇改善8万円
勤続10年は素晴らしい事やけど
この職種が何で離職率が多いかとか、根本的な給与の安さとか、考えた事あんの?
残業も出ない、人員は少ない、モンスターチルドレンetc…
でも、10年は勤めろよ!って、事やろ?
何の解決にもなってないやん!
ふんぎぎぎぎぎ🤬
介護職員の給料は安いとよく耳にします。
事業所によって違いますが、とある老人保健施設では日勤のみで月の手取りが10万円なんてのも聞いたことがあります。
手取り10万円でアパート住まいだとすると、アパートの家賃が約30000円、食費30000円、光熱費に10000円、携帯代など諸々な費用に10000円とすると、ほとんど手元に残りません。
生活は、決して楽ではないでしょう。
少しでも、給料に上乗せがあれば、助かると思います。
【匿名】
政府は「人づくり革命」に向けた政策原案で、保育士・介護職員の処遇改善を明記。
保育士の賃上げは月額3000円。
介護職員は「勤続年数10年以上の介護福祉士」限定で月額80000円。
実際、5年で昇給が頭打ちになる介護職で、10年以上勤続はかなりハードルが高いだろう。
勤続10年のハードルは高い。
10年後にこの制度が残っているかも分かりません。
とりあえず、現在、勤続10年の方には処遇改善の恩恵があるようです。
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介護職員が受け取る処遇改善の額がバラバラなのは処遇改善ルールに原因があった!ピンハネ疑惑!?
まず、処遇改善のあゆみを紹介します。
平成21年度に介護職員の為に、給与上乗せ費用を支給する「介護職員処遇改善交付金」がスタート。
しかし、財源確保が難しくなり廃止。
平成24年度に、今度は、介護報酬から給与上乗せ費用をまかなうことにした「介護職員処遇改善加算」をスタート。
以後そのまま、介護報酬の改定ごとに加算拡充しながら処遇改善は残っています(2017年現在)。
ところで、処遇改善は、ちゃんと機能していたのか?
介護職員が処遇改善についてこう話す。
【匿名】
月々の給料は一万ほど上がったけど、ボーナスがアホみたいに減ってたな
冬も似たような状況だと離職者多そう
ただでさえ拘束ダメ!事故ダメ!のお花畑なかったるい現場だし
【匿名】
ウチは介護職員全員(非正規含む)3.5万/月くらい。
多い方だと言われてる。
【匿名】
うちの施設は毎月は出ないな。
ボーナスの時にボーナスとは別に9万ずつ支給されるわ。だからボーナスは実質88万
給料も夜勤手当込みで27万前後貰えてるから毎月出なくても全然かまわね
【匿名】
処遇改善は国で一律一人○円って決めればいいのに。
今度転職する所は月1万。
前職場は年2回で16万。
前々職場は月5000円
いかがでしょうか?
お気付きだと思いますが、処遇改善は事業所によって、かなり差があります。
最初の方の話では、月々1万円アップしたが、ボーナスが減ったなど、年収は変わっていないようです。
なぜ、こんなに、事業所によって差があるのでしょう?
これには色々な理由があるようです。
理由その1、事業所によって差があるのは「4つの改善項目」に理由があった
実は、どの事業所でも同じ金額が上乗せされるわけではないのです。
介護職員の処遇改善は、事業所が介護職のために、キャリアアップの仕組みを作ったり、職場環境の改善を行うことで、自治体から支給されるわけです。
どういうことかといいますと、事業所がクリアすべき4つの改善項目があり、それをクリアすれば処遇改善が支給されるのです。
4つの課題を4つともクリアした場合は一番高い額が支給されます。
4つのうち1つだけクリアした場合は、少ない額しか支給されません。
つまり、改善項目ををクリアした数によって処遇改善の支給額が違ってくるのです。
その4つの改善項目は以下です。
・賃金体系の整備
・昇給制度の整備
・研修や資格取得支援
・賃金以外の職場改善
となっています。
この項目をクリアしたかどうかで支給額が変わってきます。
これが、事業所によって差が生まれる原因の一つです。
理由その2、介護職員へ処遇改善を分配する方法は事業所の裁量に任されている
事業所によって処遇改善の額が違う理由として、以下があります。
「処遇改善加算の分配方法は施設や事業所の管理者に任せられている」
つまり、国から支給された処遇改善加算を誰にどれだけ分配するかは、事業所次第。
そのため、金額の差はもちろん、もらえる人と、もらえない人が出ているのです。
事業所のピンハネ疑惑の真相
介護職員がこんなことを口にします。
処遇改善金は事業所がピンハネで終了
これは、事業所によって処遇改善の額が違うことや、事業所内でも職員によってもらえる額に差があることを不信に思った介護職員が、口にしているようです。
しかし、処遇改善の仕組みには以下の決まりがあります。
処遇改善加算には一定の支給基準があり、経営者が故意に基準額を下回るように余らせたり、架空の支払いを行い利益として計上した場合は、厳しい指導対象となる
また、事業所の経理の方からこんな声があがっています。
【事業所の経理】
処遇改善交付金は経理上ピンハネは出来ませんよ。良くできた制度で介護職員にしかお金が落ちないようになっており、申請は各施設の判断に任せられています。正直事務手続きは面倒で複雑でその上直接処遇職員以外にはなんのメリットもないので敬遠される事業所の方もいるのでは?私は手続きする側ですが一応なんとかやっております。でもピンハネできる方法があったら逆に教えてほしいくらいですね(笑)
このように、事業所が自身の利益として計上できないように、厳しく取り締まっているようです。
つまり、ピンハネはできないということですね。
処遇改善まとめ
2018年は診療報酬と介護報酬ダブル改定。
改定の度に、処遇改善の仕組みは変わってきています。
ここでお話した、処遇改善の額に差があることや、事業所のピンハネ疑惑の内容を、介護職員はちゃんと理解していないと思います。
事業所は、分配の方法や経理でピンハネはないということを、ちゃんと説明したほうがいいでしょう。
また、その説明を書面などで介護職員に提示するなど義務化してもいいように思います。
ん?もしかして、義務化されているのかな?
もしかしたら、義務化されているかもしれませんが、これほど処遇改善について介護職員が不満を口にするということは、説明を受けていないのだと思います。
処遇改善というのは、単純に給料が増えるというイメージではありますが、実際は色々と複雑な仕組になっています。
この複雑な部分が伝わらず、物議をかもしている部分もあるので、しっかりお互い(事業所と介護職員)が意思疎通を図る必要があるように思います。
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